HARINOKI

【好きを貫き、独自の世界を形に】
HARINOKI 平岡典子さん

白い三角おむすびのポーチ。
帆布生地をキャンバスに、リアルな梅の花、鮭やスケソウダラ、枝豆が描かれています。ファスナーを開けて、中を覗くと……。思わず、いただきますと笑顔がこぼれてしまいました。


 
 
 


このポーチは、11月に出店いただく「HARINOKI」さんの作品です。お城下マルシェの11月のテーマ「新米」に合わせてつくっていただいた限定品。

HARINOKI」さんといえば、鞄やポーチに、シロクマやウサギ、犬、鯨などの動物が、リアルに描かれているのが印象深いのではないでしょうか。外側と内側でストーリーが感じられたり、中からつぶらな瞳が覗いていたり。発想が自由でユニークで、どれも1点ものです。


 


これら作品の生みの親である平岡典子さん。創作の始まりを聞くと、「小さな頃から絵を描くことが好きだったんです」という答えが返ってきました。日々、SNSで発信している手帳に描かれたイラストからも、絵を描かずにはいられないのだと感じます。

そんな平岡さんの作品づくりに大きく影響したのは、今から3年前の尾道帆布との出会い。この生地を使ってバッグができないかと考えたそうです。トールペイントの絵の具をいただいたこともあり、布に絵を書いてみることに。絵を描くことと、布でつくるというそれぞれの表現が自分の中でつながった瞬間でした。


 
そうして制作した作品が好評で、SNSでも反響があったことから、イベントでの出店を始めます。イベントでは、男性も手に取ってくれたり、子育てのつながりとはまた違う、いろいろな世代の人と知り合うことができ、世界が広がったそうです。対面で販売することは、自分のイメージとお客様のイメージが重なる瞬間に出会えたり、作品を見てお客様の表情が変わる様子が直に伝わってくるのが楽しいと語ります。また、出店するイベントも回を重ねるごとに、生まれ育った地元に何か還元できるものに出たいという想いが強くなっているそうです。


HARINOKI」(はりのき)という屋号は、ご家族の名前から一文字ずつ取り、組み合わせた言葉。「針」や「木」もイメージできて、ご家族に対する愛情も溢れた、平岡さんの表現にぴったりな言葉となっています。木工部分はご主人が担当していて、一緒に、ものづくりを楽しんでいるそうです。とはいえ、本格的に制作に取り組む時間は、2人のお子さんが寝静まった後であり、主婦の仕事と両立して制作しています。


作業がはかどるのは夜としても、お子さんたちにつくる姿を見せることを心掛けているそうです。「ものづくりは、急にできるのではなく、素材や過程があること、それを自分の背中で見せたいんです。私自身が好きなことに胸を張って楽しむことを通して、子どもたちにも好きなことを見つけなさいと伝えたいですね。」(平岡さん)。

 
「好き」を見つける体験の一つとして、ワークショップも開催しています。バッグや手ぬぐいに、消しゴムはんこを押すことで、「HARINOKI」とあなたによる、世界に一つのコラボ作品が完成。絵に自信がなくても、誰でも楽しめます。リアルな消しゴムはんこも平岡さんの手によるもので、何度も足を運んで下さる方のためにも、イベントの度に、新作を加えているのだとか。

 

 

アイデアは、一枚の布から、ある時は1本の鉛筆から、ふっと閃くのだそうです。「自分の表現を形に残したくて、じっとしていられないのです。それを好んで手に取っていただければ、なお嬉しい」(平岡さん)。来年3月には、今治で個展を予定しているそうで、最後に、作品づくりに想うことを伺いました。

「流行りではなく、面倒くさいことをやっていると思うのですが、でも、皆さんに、変わっているものをつくってもいいんだよと言いたいです。やりたいこと、したいこと、行きたい所に行くこと――、好きなことへのチャレンジに背中を押してあげたいです。私の創作活動が、誰かのやりたいことをやるきっかけになったらいいな」(平岡さん)。

 

HARINOKI」さんの世界に触れながら、ぜひ、いろいろとお話してみてください。「お米や食」にまつわる新作もお見逃しなく!

 
 

 

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