中谷自然農園

【めぐる自然のなかで、家族とともに】
中谷自然農園 中谷 信弘さん、隆子さん

ひとくち食べると濃厚な卵の味が口いっぱいに広がるプリン、とろけるようにふわふわに膨らんだシフォンケーキ。中谷自然農園では養鶏を営む農家ならではの、卵をふんだんに使ったスイーツを1つ1つ手作りしています。


中谷自然農園は喜多郡内子町五百木、山間の道をずっと上ったところにあります。
農園には自然農法で育った野菜や自然に近い平飼いの環境で育った鶏がいて、家の煙突からは薪ストーブからでる煙がもくもくと上がっており、まるで物語の中に出てきそうな素敵な場所でした。

故・福岡正信さんの著書である『わら一本の革命』を読んだことがきっかけで自然農法や循環する生活に憧れ、28年前に大阪から旧双海町へIターンしてきた中谷さん一家。農業やお菓子作りに関してはほとんど独学でしたが、家族みんなで助け合い、周囲の人の協力を得ながらたくさんの困難を乗り越え、試行錯誤を繰り返すことで、農業や生活の「循環」を実践してこられました。現在は農業をしながら、ご自身の経験をもとに、内子町に移住する人たちの支援も行っています。





ところで中谷自然農園の実践する「循環」とはどういったものなのでしょうか。中谷自然農園では、野菜栽培のほか、養鶏も行い、鶏糞は、飼料用の米や野菜栽培の肥料となります。その野菜を収穫し食べることで日々の生活や仕事のエネルギーになり、それらがめぐりめぐって結果的に暮らしが豊かになる、というしくみです。ただ、循環させるということには難しい面もあり、すべてが繋がっており、どこかが失敗して崩れるとほかのことにまで連鎖することもあります。そういったリスクとも向き合いながら、「循環」の中で生きることにこだわる中谷さん。命や自然と向き合う農家だからこその内にある強い想いを感じました。


中谷自然農園における養鶏には大きく2つの特徴があります。1つ目は鶏たちの飼料です。飼料に使われている麦、米、米ぬか、魚粉はすべて国産(うち90%は県内産)のものを使用しており、遺伝子組み換えの可能性のあるトウモロコシは使っていません。また飼料の主となる青草は除草剤が撒かれていないもの、さらには車や人が通らないところのものを刈ってくるというこだわりぶりです。安全で栄養のあるこれらの飼料を食べた鶏たちが産む卵の黄身はとてもきれいなレモン色になります。

2つ目の特徴は鶏たちの飼育されている環境にあります。中谷自然農園にある鶏舎はすべて中谷さんの手作りです。一般的なケージ飼いとは違い、平飼いで日光が届き、風通しのよい小屋で飼育し、さらに1鶏舎当たりの鶏の飼育密度を減らすことでストレスフリーな状態で卵を産める環境を、三男の天平さんを中心に作っています。餌と飼育環境をよくすることが元気な鶏と卵を育てる極意なのだそうです。




そんな中谷自然農園の養鶏場で産まれた卵は妻の隆子さんが、一つひとつ、ひびが入っていないかをチェックします。その過程で見つかった、ひびが入っていたり、小さかったりといった市場に出すことが難しい規格外品の卵も無駄にせず、中谷さんの次男の竜介さんを中心に家の隣の工房でスイーツとなります。ここにも中谷自然農園のこだわりが詰まっています。それは、原材料を厳選し、余計なものを使わずシンプルに仕上げることで卵のおいしさを味わえるようにすること。例えばプリンは低温殺菌牛乳を使用することで、より卵の味を引き立てています。

シフォンケーキはベーキングパウダーを一切使わず、卵の力のみで膨らむように仕上げています。プリンやシフォンケーキをはじめ、どのスイーツも自分たちの納得する味になるまで家族みんなで改良に改良を重ねた自信作です。



ご自身の暮らしについて、中谷さんは、「思い描いているのはお金じゃなくて、命であったり、生活であったり、人が生きていく中で必要なもの。それを自然の理の中で見出し、体で感じることができる。」とおっしゃっていました。さらにお話を伺っていて特に印象に残ったのは中谷家の絆の強さです。循環のある暮らしは、命のつながりなしには考えられません。でもそれだけではなくて家族の愛や幸せこそ暮らしの中で大切なことなのだな、とお二人のお話やお互いを思いやる気持ち、家族みんなで営む農業の様子をみて感じました。



今回のお城下マルシェ 花園では中谷自然農園でのびのび育った鶏のソーセージと卵をたっぷり使ったスイーツが並びます。ぜひ、中谷さんの自然の中での暮らしや想いを聞いて、それから食べてみてください。きっともっと幸せであたたかな気持ちになること間違いなしです。





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