清水果樹園

【中島の無農薬の温州みかんを、手絞りで】
清水果樹園 清水雄矢さん



ぎらぎらと太陽が照り付け、まだ、夏の暑さが残る9月中旬、三津浜港からフェリーに乗り、怱那諸島の中島へ。

大浦港に到着すると、清水果樹園の清水雄矢さんが出迎えてくれました。港から徒歩数分のご自宅には、庭先にもみかんが植えられていました。まずは、甘平を絞った、贅沢なジュースを一杯。爽やかな甘さが喉を潤してくれました。



中島生まれ・中島育ちの清水さん。以前は島外で働いていましたが、2016年の夏に島に帰り、実家の果樹園を継ぐことになりました。お父様は、農林水産大臣賞受賞歴もある、みかんづくりの名手です。農園は7ヶ所に点在し、栽培している品種は、温州みかん、伊予柑、きよみ、紅まどんな、甘平、カラマンダリン、ひめのつき、はるか、レモン、ライムなど。秋から春までのシーズン中は、柑橘の旬が季節の移り変わりを教えてくれます。



島内を軽トラを走らせ、清水さんの果樹園にも案内していただきました。

ちょうど草刈り前ということもあり、草も茂っていました。みかん畑でも除草剤を撒くのが一般的ですが、草がすべて枯れた様子を見た時、「土が死んでいる」と感じた清水さん。そのため、除草剤を使わないことを決めて栽培しています。夏は草との闘いとなり、傾斜のある場所でも、蚊の襲来にも負けずに草刈り機を振るっていました。大変な作業ですが「草刈りは大変だけど、肥やしをつくっていると思うと、そして、いろんな子たちが喜んでいる気がすると」(清水さん)。ポジティブに捉えながら体を動かします。 

 9月のお城下マルシェでは、青みかん(無農薬)を絞った炭酸水を出品する予定でした。摘果した青みかんを焼酎に入れたり、レモンの代わりに使ったり、実はいろいろと活用できるのだそうです。手絞りで使うなら、安心な無農薬で栽培しようと、まずは廃園にする予定だった農地で、無農薬栽培にも取り組んでいます。残念ながら、台風で中止となってしまったので、青みかんは、来年を待つことにしたいと思います。

レモンが植えられている所にもご案内いただいたのですが、取材時にいただいたレモンは青く、爽やかな香りがしました。



「もし、誰かに中島を案内するならば、どこに連れて行きますか?」という質問に、選んだ場所は、果樹園の中でも一番のビュースポット。みかんの木々を掻き分け、急峻な斜面を登ると、そこは、海まで見渡せる気持ちの良い場所でした。みかんづくりが続くことで、この風景も受け継がれていきます。



現在の販路は、JAや知人など。また、バイクロア市やカモン夜市など、イベントにも出店しています。「薄利多売ではなく、分かってくれる人に届けたい」と、お城下マルシェにも出店を決めました。



917日が台風のため、中止となり、あの時から2ヶ月が過ぎ、シーズンを迎えました。味見させていただいた青いみかんは、暑い時期にちょうどよい酸味があったのですが、「これからもっともっと甘みが増して美味しくなりますよ」(清水さん)。

今年のみかんの味はどうなったのか、とても楽しみです。その味を、手絞りで直接味わってみてください。


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