土と暮らす

【自然のパワーがつまったお米】
土と暮らす 首藤元嘉さん



自然栽培のお米を食べたことはありますか?


自然栽培とは、農薬はもちろんのこと、化学肥料や堆肥なども一切使わず、太陽や水、本来、土が持っている力を活かしながら栽培する農法のことです。今回は自然栽培でお米を育てている「土と暮らす」の首藤さんにお話をお聞きしました。



「土と暮らす」の農園は、西条平野にいくつかあり、そのうちの一つ、氷見の「初霜」が植えられている田んぼに伺いました。訪れた季節は11月初旬で、四国山脈・石鎚連峰の豊かな自然と水の恵みを一心に受けて、稲の穂は大きく実っていました。



栽培品種はイセヒカリ、農林48号、初霜となかなか市場には出回らない珍しいものばかりです。それらの品種ひとつひとつに誕生秘話があり、首藤さんはその魅力に惹かれ、3品種を自家採種で栽培しています。収穫したお米と糀を使った生あま酒づくりも行っています。

取材時に見せていただいた初霜は初めて霜が降りる時期に収穫されることが名前の由来で、歯ごたえはしっかりしていますが、あっさりした味わいが特徴で、冷めても味が落ちにくいため、すし飯にも向いているそうです。

生あま酒に使われているイセヒカリは、「土と暮らす」で一番多く栽培されています。口に入れた当初はあっさりとした味わいですが、噛むほどに甘みが口に広がり、また粒がしっかりしていてコシがあります。伊勢神宮で発見された新種のお米で、平成元年に台風が二度直撃をしたときに、御神田の稲がすべてなぎ倒されてしまいましたが、その中に生き残った2穂の稲に命名されたのが「イセヒカリ」なのだそう。

農林48号はコシヒカリのおじさんにあたる品種です。冷害に弱く、栽培するのが難しいお米ですが、もちもちとした食感があり、甘みが強いのが特徴です。どの品種も農薬や肥料を使用しない分、一般的な栽培方法より何倍も手間がかかりますが、何よりも安心安全、



これらのお米を「おいしい」と言ってもらえることを励みに大切に育てています。実際に初霜収穫前の除草のお手伝いをさせていただきました。刈り取る前に雑草を抜いておかないと稲刈り機を通せないそうで、まさに雑草との闘いでした。

 


もともと半農半Xに憧れていた首藤さん。農業と窯業を兼ねていた時もありましたが、今はお米一筋。「農業を通じて地域の環境を守り、豊かな地域を未来に残す」ことをモットーに情熱とこだわりを持ってお米を育てています。そんな首藤さんの作業姿はとてもかっこよかったです。


「お客さんがお米や生あま酒を買ってくれることで自然栽培の輪が広がり、自分にとっても励みになる。そしていつか、日本一広い自然栽培の耕作面積を耕す農家になりたい」(首藤さん)。自然栽培の耕作面積を増やすことで、地域から農薬の使用を減らすことに挑戦しています。



当日は、自然栽培で育ったお米を使ったおにぎりと生あま酒、玄米オートミール、味噌汁などを出品していただきます。どの商品にも首藤さんの想いと自然の力がぎゅっと詰まっており、心温まること間違いなしです!ぜひご賞味ください!

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