ヨシロ工房 大野なつみさん

【暮らしの器】
ヨシロ工房 大野なつみさん

透き通り、ゆらゆらと揺れるような質感のガラスコップ。貴方なら何を注ぎますか? このコップを作っているのはガラス作家の大野なつみさんです。


 「とにかく、何かつくりたかった」という大野さんは、高校で木工、専門学校ではずっと吹きガラスの技術を学んでいました。その後、吹きガラスを続けるために京都のガラス工房のスタッフに。一年ほど前に愛媛に戻り、現在は砥部町の工房を借りて制作をしています。

昔から食器が好きで、同年代の子たちが洋服を買う時に、器を買っていましたと笑う大野さん。人の仕事が見えるものに「どうやってつくっているんだろう?」と惹かれるのだそうです。「自分が使ったり、身につけたりするものにはお金をかけてもいいと思う」とも。そんな大野さんがつくるガラス作品は、「生活で使うもの」。型コップや、輪花鉢、一輪挿しや酒器など、暮らしの器です。「毎日使ってもらえると嬉しい。割れてもいいから。ガラスは割れても再生できるので」(大野さん)。
6月のお城下マルシェのテーマは保存食ですが、一人暮らしの時、農家の方からのお裾分けを、ジャムやシロップなどにしていたそうです。勤めていた工房でも、みんなでかき氷を食べることがあり、自分たちの器に盛って食べたことや、そこに自家製のジャムを持っていった思い出を話してくださいました。

大野さんの型吹きガラスは、鉄製の型を使って形をつくります。同じ型を使っていても、ガラス表面の風合いは一つひとつ違ったものになり、手作りのぬくもりを味わうことができます。無色透明というよりも、淡くグリーンがかっているのも特徴です。吹きガラスの世界に足を踏み入れて約10年だそうですが、イメージ通りに作ることはまだまだ出来ていないと語ります。夏は暑く、冬は冷え込む厳しい環境の中、ガラス制作をやめたいと思ったこともあったそう。しかし、器をつくっている時間は無心になるほど楽しく、ガラス以上にやりたいことが今のところ見つからないそうです。

 


当日も素敵なガラス作品を販売して頂ける予定です。ぜひ爽やかなガラスに見て触れて、涼しさを感じて下さい! 

光の加減や、何を入れるかで表情が変化するガラスの器。冷えたガラスに冷たい飲み物や夏野菜を添えて…と考えるとたまりませんね!

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